WEBサイトの主なメリット
- 売上げアップにつながる
- 集客につながる
- 問い合わせを増やせる
→ 実は、病院経営の場合、WEBサイトの主なメリットがメリットではありません。
病院が、患者さんを集めるために集客を行なう事はほとんどありませんし、WEBサイトからの商品購入などを行なう事もほとんどありません。（開院直後のクリニックや、美容外科・保険外診療は別）
しかし、病院がHPを運営する事に、ちゃんとメリットは存在します。
病院HPを開設するメリット
- 宣言：特定の症状や患者層に力を入れている事を説明でき、信頼を得られる。
- 修正：診療体制などの変更があった場合でも、すぐに修正を行える。
- 発信：情報を発信できる（ブログ運営、FAQページ、SNSと連携）。
- 教育：院内教育・院内連携にも利用できる。
- 求人：求人募集に活用できる。
- 患者教育や、ホームエクササイズ指導に活用できる。
- 反響を数値で確認できる。
上記の項目が、病院がHPを運営するメリットとなります。
病院の特徴を宣言し、患者さんに伝える事の大切さ
多くの患者さんは、この病院が「何に力を入れている病院か？」を把握している事はありません。
もし、「他の病院とはここが違う！」や、「特定の症状にこだわりがある！」などの特徴がある場合は、自ら発信する必要があります。
多くの人が、自分自身や家族の病気や怪我をどこに診せに行くべきかを考え、インターネットを利用して公式サイトを検索します。
そういった患者さんに向けて、病院の特徴を分かりやすく伝えておく事は非常に大切な事です。
特定の症状や患者層に力を入れている事を伝える事で、診察に訪れる患者層を間接的にコントロールする事にも繋がります。
専門家にとっては、「当たり前」の事でも、一般の方や、患者さんには思いの外伝わっていません。
別業界の話になりますが、掃除機メーカーのダイソンは「吸引力が落ちない掃除機」と宣言した事によって、一般消費者に「吸引力が落ちない唯一無二の掃除機」というイメージを持たせる事に成功しました。
言ったもん勝ちとまでは言いませんが、もし、こだわりを持って取り組んでいる事があれば、必ず宣言しなければいけません。これは、病院にとっても患者さんにとってもとても大切な事です。
病院ホームページの役割とは？
ホームページに役割を持たせる場合、多くの企業が「インターネット上の営業マン」をイメージしますが、病院経営の場合、そもそも営業職は存在しません。
よって、企業向けに説明されるようなホームページのメリットは、冒頭であげたように病院HPにとっては直接的なメリットととはならないわけです。
病院HPのメリットは、日々の業務改善・効率化
ホームページに、インターネット上の営業マンとしての役割ではない、「どのような役割」を与えるかを考えると、病院がホームページを作る必要性を判断する事ができます。
例えば、日々の診療についての業務改善・効率化という視点で考えると、
- 一人一人に対面して説明を行わないといけない事
- 今まで紙媒体（配布資料）で伝えていた事
などのうち、WEBのコンテンツとして落とし込めるものについては、WEB（ホームページ）に役割を与える事ができます。
上記で列挙した、病院HPを開設するメリットの共通点は、「日々の業務改善・効率化」となります。
すぐに修正が加えられる。
紙媒体であれば、ミスがあったり、一部修正が加わったり、レイアウトを変えたりすると、もう一度印刷しなおしとなりますが、WEBサイトであれば適宜、「追加・修正・削除」などの編集を行う事ができます。
自主トレ指導用のリハビリ動画などを用意する事ができれば、画像や文章の説明だけではない動画を用いた資料を作成する事もできます。
また、よく受ける質問のうち毎回個別の対応を迫られ時間を割いてきた事が、「よくある質問（FAQ）ページ」を設ける事により、何度も同じ質問を受ける事を防げるかもしれません。
新たな問い合わせや、受付スタッフに直接質問があった場合は、新たに説明ページを加える事ができます。
つまり、今後の対応については、「こちらのページをご覧ください。」と確認先を提示するだけでよくなり、多くの個別対応のコストを抑える事ができます。
優秀な人材を採用することに繋がる。
特に医療業界では、求人募集に力を入れているホームページも多くなっており、特設サイトをつくっている大手病院もあるほどです。
仕事を探している立場の人からすると、病院の求人情報を知るすべは、求人情報サイトや、ハローワークでの一般公開されている情報を見る事です。
そこから、公式サイトをチェックした上で応募するか否かを判断するというのが、一般的な求職者のカスタマージャーニーです。
「求人ページを作れば、すぐに求人応募に直結する」という意味ではありませんが、求人募集を行なった時に、しっかりと（医療従事者・働き手にとって）魅力的な病院という事を伝えられる求人ページを設けておく事で、
- 優秀な人材
- 求める人材
に訴求しやすくなります。
また、求人ページを通して、「応募して欲しくない層」を間接的に伝える事もできます。
※ ハローワークに掲載できる情報は、制限がありターゲットを絞り込むような内容は、掲載を拒否されます。
医療従事者・働き手にとって魅力的な病院という事を伝えられる求人ページとは、
具体的には、
- 施設情報
- 病院の取り組み、理念
- 実際働いている人の声や仕事の内容
- 職場の雰囲気
これらの内容を、求人応募しようか考えている人に訴求する事を意識したページとして作成します。
求職者は、そのページに掲載された内容を理解した上で働きたいと思ってくれた意欲の高い人材が集まりやすくなります。
一般的に、そういったスタッフは、離職率も低くなる傾向にあるとされています。
まとめ
一般企業で考えられるホームページのメリットと、病院やクリニックのホームページのメリットは、異なる点が多々あります。
いわゆる「営業の道具」をイメージすると、ホームページを作る意義が薄れるかもしれませんが、決して、「営業」だけがホームページの役割ではありません。
業務改善・効率化という視点を持つと、病院ホームページのメリットが理解しやすくなるかと思います。